腎癌治療セミナーin SAGA

平成23年6月30日佐賀市ホテルニューオータニにて開催され、院長が出席しました。慶応大学泌尿器科の大家基継教授による特別講演:腎細胞癌に対する分子標的治療の現状と展望、がありました。分子標的治療がよくわかりました。

腎臓癌に対する分子標的治療薬が2008年に薬価収載され、今回新薬が発売された。腎細胞癌は80から85%を明細胞癌(血管が豊富)が占め、残りが色素嫌性細胞癌と乳頭状癌。von Hippel Rindau病で生じるのは腎癌の明細胞癌と脳や脊髄、網膜の血管芽腫、腎嚢胞、副腎褐色細胞腫、内耳リンパ嚢胞腺腫であり、すべてが血管に富む腫瘍。 von Hippel Rindau病での腎癌と普通の腎癌とは腫瘍抑制遺伝子の異常が同じ単遺伝子変異(一般の癌ではめずらしい)。mTOR(mammarian target of rapamycin)はほ乳類の細胞で細胞内シグナル伝達に関与するたんぱく質キナーゼ。ラパマイシン(マクロライド系抗生剤)の標的として発見された。mTORは成長因子、栄養、酸化還元の情報を統合し転写翻訳を通して細胞生存の中心的な役割をはたしている。mTORを抑制する薬が出来、これが進行腎癌の治療薬となる。効果はあるが、副作用が多い。副作用としては、口内炎、間質性肺炎、慢性肝炎の急性増悪、カリニ肺炎、高脂血症。

西部九州Urologic Cancer Seminar

平成23年6月24日福岡市ホテルニューオータニにて開催され、院長が出席しました。東京慈恵医科大学泌尿器科の頴川晋教授による特別講演:前立腺癌と病診連携、がありました。

東京都内の主な癌関連病因と診療所を結んで、患者の治療を継続する仕組みを東京都の協力で行っている。連携手帳を発行し、診療所があらかじめ提携施設を登録する。連携指導料も算定できる。癌患者の生存率を向上させ、拠点病院の混雑も防ぐ。診療所によっては抗癌剤治療ができないところもある。

開院17周年記念慰労会

平成23年6月21日有田町龍水亭にて開催され院長以下職員39人が出席しました。院長の簡単な挨拶と、新入社員の紹介、永年勤続社員の表彰とゲームなどがありました。二次会はありませんでした。

テレビシンポジウム:激増する糖尿病合併高コレステロール患者へのアプローチ

平成23年6月20日武雄市翔薬西佐賀支店にて開催され、院長が出席しました。インターネットを使って。東京の河盛隆造順天堂大学教授と、名古屋の林登志雄名古屋大学教授と久留米市の山岸昌一教授とを結んでの講演会でした。

糖尿病患者は寿命が短くて、男で10年、女で13年寿命が短い。それは心血管系の障害が多いから。そのために糖尿病では心血管系の障害を予防することが治療の目的となる。LDLコレステロールが心血管系の障害と深い関係があり、そこで、糖尿病患者の心血管系の障害を防ぐためには、LDLコレステロールを120未満にする必要がある。LDLコレステロールは糖尿病では量的増加のみでなく、糖化リポたんぱくや酸化リポタンパクとなり質的な変化も起こる。高血糖下では血管内皮細胞が早く老化する。インスリンも同じ作用があるが、高血糖下では逆に老化を防ぐと言う二相作用がある。EDIC-DDCT研究で、高血糖の記憶がわかった。治療初めに高血糖が続くとそれが残り、後で血糖のコントロールをしても予後が良くなかった。糖尿病では初期の治療が不十分であれば、後に強化療法を行っても効果が少ない。

第56回日本透析医学会

平成23年6月17日横浜市パシフィコ横浜にて開催され、泌尿器科いまりクリニックから副院長と透析室の看護師2人が参加し、勉強しました。以下に報告があります。

木下徳雄

緊急企画1「東日本大震災と透析医療:被災地からの報告1. 宮城県からの報告  仙台社会保険病院  木村朋由 ・宮城県の透析患者は約4700名である。地震発生は日中の透析が終了した時点であった。電気、ガス、水道、通信のライフラインが遮断された。・仙台社保病院では、312日には透析可能になった。自家発電があり、都市ガスからプロパンガス に変更していた。「透析難民」に24時間体制で透析可能とラジオで呼びかけをした。312日からは63床をフル稼働し、2.5時間透析(3時間1クール)×8クール/日を丸3日半行った。313には電気が復旧し14日に通信も回復したし、1週間に延べ1759人の透析をした。 ・県外への透析患者の移動は直後の3日間のみで全体の45%、主に山形県と北海道であった。 ・課題①通信手段の整備、第二・第三の連絡網(MAC無線、携帯メール、衛星通信など) ②災害時透析拠点病院の体制整備
2. 岩手県からの報告  岩手医科大学  大森 聡 ・県内の透析患者は2752人、45施設で行っている。地域が広く(100~200km)、県立病院が多い。・情報の伝達:「安心の担保」「風評被害の防止」に大事である。メーリングリストとFAXで「日刊 県内透析情報」を流した。・物資の供給:業者/企業連合を設立し、窓口を一本化した。県の管理を外し、手続きを簡素化した。集積地の確保、緊急車両の許可、優先給油の確保を取り、5日で14日分の物資を備蓄した。・患者通院搬送の維持:燃料不足がり、宿泊施設と通院手段(透析患者とスタッフ)の確保を行った。各市町村に送迎バス、タクシー券、徒歩通院可能な避難所、消防団による送迎などを要請した。
3. 福島県浜通り・いわき市からの報告   いわき泌尿器科  川口 洋 ・いわき市の四重苦は「地震」「原発」「津波」と「風評被害と孤立化」であった。34万人のうち6~7万人が自主避難した。行政の対応は遅かった。・食糧、ガソリン不足、断水があり、スタッフの欠勤もあった。・透析患者の53%600名を医療スタッフとともにバスで、新潟、千葉、東京に集団移送した。
4. 福島県と腹膜透析  雅香会おぎはら泌尿器と目のクリニック  荻原雅彦 ・福島県は死者1002人、10万人が避難し、県外避難は35000人であった。福島県は中通り、浜通り、会津の3地区がある。・浜通りは津波被害、原発行政の迷走、原発風評による医療崩壊があり、1500人の透析患者が移動した。紹介状のない患者も多く、地域間ネットワークの形成、コーディネイターが重要である。・福島県は診療エリアが大きく、通院距離も長い。そのため、腹膜透析患者の比率が高い。CAPDからAPDに変更し凌いだ。

緊急企画2「東日本大震災と透析医療:支援地からの報告1. 新潟県の対応 新潟大学  風間順一郎・支援地となる可能性と被災地となる可能性があった。2/2316日にバスで154人の透析患者を受け入れた。トリアージを行い、患者にタグを付け、氏名・年齢・ドライウェイト・シャント側を記入した。・中越地震の経験が生きた。ガセネタを防ぐため、行政と透析施設の情報共有が必要である。・コーディネイターが迅速かつ臨機応変に対応し宿舎・食事・交通を手配した。
2. 東京都の対応 東京都区部災害時透析医療ネットワーク  秋葉 隆2005年に東京都区部災害時透析医療ネットワークを立ち上げた。透析施設を7ブロックに分け災害マニュアルや透析カードを共有した。今回はこれを活用した。・いわき市からの集団避難した透析患者の透析を斡旋した。同市は原発事故からゴーストタウンと化した。317日に都庁にバスを用意し透析307名、入院75名を56施設で受け入れた。 ・患者情報のフォーマット化、バスなど移動手段の整備が必要である。
3. 山形県の対応 清水会矢吹病院  伊東 稔・主に宮城県の津波被害の透析患者を受け入れた。 ・窓口を一本化し、県と矢吹病院とした。受け入れ相談窓口を山形腎不全研究会とし核施設に割り振りした。320日までに入院71名(9施設)外来82名(13施設)を受け入れた。・問題点として、停電時の情報伝達の手段の確保、ガソリン不足、食糧不足、物資の不足があった。・縦割り行政のため体制の準備不足があった。誰が責任者か、金とヒトの決定権を決めておく。
4. 北海道の対応 クリニック198札幌  戸澤修平・日本透析医会の災害情報ネットワークのメール「joho-ml」を活用した。322日に44名を自衛隊機とバスで受け入れ、323日は36名を受け入れた。520日までに70名が帰省した。

教育講演「透析患者における造影剤」   群馬大学医学部付属病院核医学科・画像診断部  対馬義人 ・静注にて使用する造影剤には、CTや血管造影に用いるヨード造影剤、MRIに用いるガドリニウム造影剤、超音波検査(US)に用いる超音波造影剤の3種類がある。透析患者においては、これら造影剤の使用指針は腎機能障害のない患者と非常に異なる。・ヨード造影剤による造影剤腎症(Contrast-induced nephropathy;CIN)はよく知られている。腎機能障害が最も重要なCINの危険因子である。しかし透析患者では、水分あるいは浸透圧過負荷とならない限り投与可能であり、透析のスケジュールも特段の配慮は不要である。・ガドリニウム造影剤はショック等の重篤な副作用は稀である。通常の使用方法であれば、腎機能への影響の殆どない。しかし、腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis;NFS)が、ガドリニウム造影剤の副作用であることが明らかになり、透析患者は原則禁忌である。・最近、USに用いる造影剤のSonazoidが一般化してきた。この造影剤は血管外にでることはないので、静注早期には血管プール造影剤として、後期相ではKupffer細胞に取り込まれKupffer imagingとして利用可能である。排泄経路が肺(呼気中)であり、腎機能に関係なく使用可能である。その他重篤な副作用も報告されていない。現在、肝腫瘍性病変のみの適応であるが、適応範囲の拡大が望まれる。

池田 清美  

フットケアに対する意識向上を目指して~業務改善とセルフチェック推進  (医)塩屋王子クリニック  (医)王子クリニック 内容感想【はじめに】業務が頬雑化する中、定期的なフットチェックを実施できず一方な行為であった。業務改善とセルフチェック推進の取り組みについて報告する【方法】 1.フットチェック表再検討 2.少人数チーム編成 3.実施日告知を含むセルフチェックシート作成 4.ASケア(炭酸泉浴)実施 5.タッチテスト(モノフィラメント)【結果】チェック項目再検討と少人数チーム編成により業務負担が軽減し定期的に実施できた。また告知は事前の保清行動に繋がり、セルフチェックシートは観察に役立った。ASケア普及に努めたが現時点での評価統一が今後の課題である。【結語】定期的なフットチェックは、足への関心を高め患者から訴えを引き出す機会となり早期発見に繋がる。今後も重要な業務と位置付け継続して取り組んでいきたい。

【感想】当院でのフットケアの係わりと大差ないと感じたが、透析中の血圧低下予防とし開始1~1時間30分以内での足浴、下肢マッサージを実施する施設が多かった。糖尿病患者のPAD(末梢動脈疾患)早期発見に努め観察、下肢血管エコー等の検査実施されていた。今後当院でも出来る範囲の患者     の足に触れ必要に応じドプラーでの下肢拍動の確認、観察を行い、学会後患者用DVD貸し出し後感想を聞き、また患者からも聞かれましたが下肢マッサージの手技DVD資料等で学んで行きたいと考えます。今回参加の機会を頂きました事に感謝と共に今回学んだ事を活かしていきたいと思います。

伊万里有田地区医師会総会

平成23年6月17日伊万里市迎賓館にて開催され、院長が出席しました。

第63回佐賀県泌尿器科懇話会

平成23年6月11日佐賀市ホテルニューオータニにて佐賀県泌尿器科懇話会が有り、泌尿器科いまりクリニックから院長と副院長が出席しました。佐賀大学泌尿器科の佐藤勇司講師による特別講演:転移性腎細胞癌に対する各種分子標的治療薬の位置付けと現状、がありました。さらに今回は一般演題がなんと9題もあり、盛会でした。その後保険審査の件で会員同士の活発な意見交換がありました。

1.腹腔鏡手術を施行した下大静脈後尿管の1例 ○中村晃二、天野慎二、間島大博、金子新、藤崎雅史、安芸雅史、藤崎伸太(藤崎病院)
2.若年性腎癌の2例 ○阿部立郎、徳田倫章、平田侑、内野洋志、諸隈太(佐賀県立病院)
3.最近1年間の浸潤性膀胱がん治療の現状 ○有働和馬、生駒彩、柿木寛明、中島啓二、佐藤勇司、徳田雄治、野口満、魚住二郎(佐賀大学)
4.当院おける骨盤内臓器脱手術 ○生駒彩、中尾孝子、佐藤勇司、野口満、魚住二郎(佐賀大学)
5.尿道異物の1例 ○平田侑、内野洋志、阿部立郎、諸隈太、徳田倫章(佐賀県立病院好生館)
6.尿道ポリープの1例 ○山元芽衣、有働和馬、徳田雄治、野口 満、魚住二郎(佐賀大学)小嶺信一郎(泌尿器科いまりクリニック)
7.疼痛管理に苦慮している進行陰茎癌の1例 ○西村和重、高木紀人(国立病院機構佐賀病院)樋渡輝代(国立病院機構佐賀病院 がん性疼痛看護認定看護師)
8.有床診療所での腹膜透析導入 ○南里正之、山合恵子、南里正晴、南里和成(南里泌尿器科医院)
9.肺結核の接触者健康診断の経験 ○木下徳雄、小嶺信一郎(泌尿器科いまりクリニック)

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院内勉強会5月分

平成23年5月17日院内で開催され、39人出席し、サノフィアアベンティスファーマ佐賀営業所の松浦敬史氏による講演、タキソテールの安全使用についてがありました。そしてもうひとつ院長からの講演:癌哲学、とがありました。タキソテールは前立腺癌に実際によく使用しておりますので、その副作用や使用法についてよく知る必要がありました。タキソテールの予想される骨髄抑制作用については今まで重篤な患者さんは居ませんでした。

院長講演の:がん哲学とは、樋野輿夫先生の著書、がん哲学外来入門、がん哲学外来の話、末期癌その不安と恐れがなくなる日を読ん、その内容をまとめて職員に紹介した、いわゆる抄読会です。以下にがん哲学の講演スライドを示します。

新武雄病院開院式

平成23年5月22日武雄市新武雄病院の開院式が有り、泌尿器科いまりクリニックから副院長が出席しました。

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佐賀県透析医部会学術講演会:

平成23年4月21日佐賀市ホテルマリターレ創世にて開催され、副院長と透析室の看護師2人が参加しました。

院内勉強会4月分

平成23年4月20日院内で職員勉強会を行いました。安全対策委員から去年の院内ヒヤリハットの集計と評価の報告がありました。次に厨房から嚥下補助剤のとろみあんの紹介がありました。最後に厨房からがんの食事療法についての説明がありました。提示したスライドです。スライドの治療成績は済陽医師のものです。

   

 

佐賀県医師会各種分科会役員委員会:

平成23年4月14日佐賀市の佐賀県医師会館に手開催され、泌尿器科いまりクリニックの院長が佐賀県泌尿器科懇話会会長として出席しました。

伊万里有田地区三師会学術講演会:

平成23年4月8日伊万里市迎賓館で開催され、院長と副院長、職員が出席しました。唐津赤十字病院の長嶋昭徳内科部長による特別講演:CKDの病診連携、伊万里市民病院の松永和雄副院長による特別講演:高血圧による配合剤の使用経験。とがありました。

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