院内大掃除

今年は職員全員による大掃除を各部署で別個の日時に別個に行い、全体での一斉掃除はありませんでしたが、クリニックもとてもきれいによみがえりました。皆さんご苦労様でした。

医院忘年会

平成22年12月17日伊万里市エンゲージメントハウス、サンティール伊万里にて行いました。皆さん今年1年間ご苦労様でした。

第43回 九州人工透析研究会総会

平成22年12月12日(日)かごしま県民交流センターにて開催され泌尿器科いまりクリニックから透析スタッフが参加しました。以下にその時の報告があります。

看護師 中村 雅美

保存期CKD患者へのフットケア介入 仁誠会 大津第一クリニック 【目的】年々、HD患者のPADや足病変は増加傾向にあり、CKDの段階から介入していく必要があると考えた。そこで、CKD外来患者に対してフットケアの介入を試みた。【対象と方法】CKD外来患者23名に対して、フットケアに関するアンケート調査、足の観察を行い、患者の状態に応じたフットケアを行った。また、動脈硬化についても当法人で作成している動脈硬化ランク分類を用いて、分類を行った。下肢切断ゼロを目指して、患者のフットケアに取り組んで、だいたい2週間から1ヶ月おきに観察し、ケアを行った。ほとんどの患者が、乾燥や白癬やしびれ・痛みなど、なんらかの足病変があった。また、DM性神経障害によりひび割れや亀裂が悪化していた患者もいた。しかし、自分でケアを行っている患者は少ない。フットケアの必要性について知る機会は少なく、そのままになっていることが多く、足をみてはじめて気付くことが多い。患者から言われないかぎり、ほとんど足をみることはない。そのためにも、早くからの足の観察を行い、生活習慣の見直しや日常生活の指導、ケアの介入を行うことは重要なことであると思う。
透析患者を支える家族の介護負担感の実態 健康保険南海病院 腎センター【目的】当院の透析患者164人の平均年齢は65.9歳で、全国同様に高齢化が進んでいる。今回、当院における透析患者の家族の介護負担感の実態を明らかにし、家族への援助方法の示唆を得ることを目的とした。【結果・考察】当院の透析患者は70歳代以上が40.2%、主介護者は34.6%といずれも、高齢者が多いことがわかった。また配偶者による介護が68.5%と最も多かった。送迎をしている家族の36.1%がそれを負担に思っていた。介護負担内容と介護者の年齢については、「腰痛」「疲れ」の2項目で、患者の年齢とでは、その他「食事の介助」睡眠不足」など11項目で相関関係にあった。 今後、確実に高齢化する患者、家族に対し、よき相談相手となれるよう信頼関係を深めるとともに、社会資源の活用など他職種と連携し、少しでも介護負担を軽減できるよう援助していく必要がある。老々介護負担が多くなってきて、患者・家族の高齢化による負担が増してきているが、社会的な援助はまだまだ少ない。高齢になると、水分・食事の管理が難しくなってくる。そのため、家族の協力も必要だが高齢者だけの生活だと難しい事もあるので、サービスなど活用し、よりよい生活が送れるように病院や施設などとの連携や情報提供など大切だと思います。患者の抱えている不安や問題点、ニーズにこたえ、少しでも負担感が軽くなるよう努めていかなければと思いました。

臨床工学士 布巻 秀克

1 AN69 膜による貧血、栄養改善効果 特定積層型ダイアライザー(AN69)の使用をすることによりヘモグロビン値、鉄代謝が改善された例である。しかし当てはまらない例もあるが、実際、AN69膜の使用により血圧低下が少ないといわれている。2 日機装社製DCS-211を18年間使用し得たメンテナンスの有用性 定期的なメンテナンスが必要であり、早期発見ができ、早期対応で透析装置寿命をのばされるまた、消毒薬もパーツの腐食を抑えられる。3 透析医療における医療事故と危険管理 ヒュウマンエラーとは、人間の生まれながらに持つ諸特性と人間を取り巻く広義により決定された行動のうち、ある期待された範囲から逸脱したものである。人間側の観点から説明すると、ヒュウマンエラーは人間の本来持っている特性と、人間を取り巻く広義の環境がうまく合致していないために引きおこされるものである。事故報告書ではヒュウマンエラーは原因であるとされることが多いが、よく考えると原因でなく結果である。たとえば、不注意は、何らかの理由で、本来、注意が向かなかったためであるので、他のものに注意を奪われたという(結果)である。透析中は患者の臓器が体外に露出しているようなもの、リスクは非常に高い。一つでもリスクを下げるように努力しなければならない。感想 いろいろ聞きましたが、臨床工学士として、日々の機械の点検が重要でありこれからも保守点検をして、機械の故障をできるだけなくすように努力したいと思います。また危険因子を出来るだけ少なくするために努力しなければならない。

井本 邦子

題名: 血液透析導入前訪問の取組みとその効果【目的】透析室看護師が入院中の患者に対し、HD導入前訪問を行う事で、患者に安心感を与える事が出来る。また、患者が透析に対するイメージを持つことが出来、不安を医療者へ表出し軽減することが出来る。【方法】対象:HD導入患者12(緊急透析、クリニカルパスによるHD導入、急性肝不全、認知症、精神疾患患者を除く)。期間:20098月~20103月方法:1.透析室看護師がHD導入予定の患者に対しアンケートをとる。2.病棟看護師が、HD導入前日迄にHD導入前患者に対し導入期パンフレットに沿って説明を行う。3.透析室看護師が患者を訪問しオリエンテーションを行う。4.退院決定後に透析室看護師がHD導入後の患者にアンケート調査を行う。【結果・考察】HD導入前訪問を取り入れたことで、患者の透析に対する不安が軽減され、安心感を得ることが出来た。しかし、「不安を言いたくない」という患者の言葉も聞かれたことから、透析導入期の患者は透析を始めなければならないという対象喪失(衝撃・ショック、防衛的退行、承認)の過程にある為、今後は更に導入期の心理プロセスを考慮した個別的なHD導入前訪問が必要であると思われた。【感想】 慢性腎不全保存期にある患者は透析という言葉は知っていても実際に透析療法をイメージするのは難しく、殆どの患者は医師からの説明のみで導入することが多い。「透析だけはしたくない」「一生透析をしなくてはいけない」という、未来悲嘆から透析は全ての療法の最終段階のように捉えられている。透析前訪問により、透析療法の事、透析医療費、仕事の継続の問題、日常生活の過ごし方について、事前に看護師に相談する事により患者の不安は軽減される。透析導入を告げられた患者が導入後のライフスタイルの変化に適応し、生涯継続しなければならない透析療法を受け入れていく為に、透析看護師が導入前から継続的に介入していくことが重要であると感じた。

栄養士 小野富子

DWGNRIの変化から考察した入院血液透析患者の栄養状態 白光会白石病院 栄養科 執印 友美  目的:当院におけるこれまでの入院血液透析患者の栄養状態と予後の関係を食事摂取やDWの変化だけでなく、栄養管理指標であるGNRIGeriatric nutritional risk index)を算出することでretrospectiveに検討した。 方法:平成18年より当院に1年以上の入院歴のある血液透析患者51名(男/女 31/20、平均入院期間34.8ヶ月、平均透析期間61.5ヶ月)について、食事摂取量90%以上の患者(A群:26名)と死亡退院症例(B群:25名)の入院期間中の食事摂取量、GNRIBMIBUNCrPCRPHbnPCRKt/Vの平均値を比較。また、B群のDWGNRIの変化を観察し考察した。結果:B群はA群に比べ、食事摂取量、GNRIBMI、血清アルブミン、CrPが有意に低く、年齢、CRPは有意に高かった。2群間の性別・原疾患に差はなかった。B群では経過中DW4.2kg減少しており、56%の患者が死亡前平均7.3ヶ月よりGNRI75以下に低下していた。結論:今回の検討により、長期入院血液透析患者の栄養状態の変化を食事摂取はもとより、DW減少、GNRI低下、CrPCRP値などに留意し、定期的に把握することにより、栄養量変更の提案など積極的に行っていく必要性を改めて認識した。栄養スクリーニング法—GNRIGeriatric nutritional risk index)はBouillanneらによって高齢患者向けに作成された栄養評価指標であり、血清アルブミン値と現体重および理想体重のみを用いて算出するきわめて簡単な方法。透析患者の栄養スクリーニングに優れている。GNRI=1.489×血清アルブミン値(g/dl×10+41.7×(現体重:DW/理想体重)ただし、この式でDWが理想体重より多い場合にはDW/理想体重を1とする。理想体重は、BMI=22となる体重。栄養障害リスク  82未満—重度栄養障害リスク 8291中等度栄養障害リスク9298軽度栄養障害リスクこのGNRIは、非常に簡単な式で算出できる指標であるが、他の栄養指標ともよく相関する。 臨床栄養の20099月号に腎不全・透析患者の栄養障害とアセスメントで、GNRIは透析患者の栄養スクリーニング法として十分に有効であると掲載されていました。この病院では入院患者を対象とされていますが、当院の透析患者もGNRIで計算を行ってみて、今後の指導にいかせるか試してみたいと思います。今回透析研究会に参加させていただきありがとうございました。

 看護師    吉田和子 

一般演題 {看護・CKD}血液透析導入前訪問の取り組みとその効果「目的」 透析室看護師が入院中の患者に対し、透析導入前訪問を行うことで、患者に安心感を与えることができる。また、患者が透析に対するイメージを持つことができ、不安感を医療者へ表出し軽減することができる 方法: 1.透析室看護師が透析導入予定の患者に対しアンケートをとる。2.病棟看護師が、透析導入前日までに導入期パンフレットに沿って説明3.透析看護師が患者を訪問し、オリエンテーションを行う4.退院決定後に、透析室看護師がアンケート調査を行う  結果: 透析導入前訪問を取り入れたことで、患者の透析に対する不安が軽減され安心感が得られたが、不安を表出されない患者もいた。導入期の患者は、衝撃・ショック・防衛的退行・承認の過程にある為、個別的な透析導入前訪問が重要である
保存期腎不全から導入までの受け持ち制を取り入れて  保存期からの受け持ち制について、スタッフへのアンケート調査及び患者・家族への聞き取り調査を実施した結果スタッフは、1、患者の性格や生活背景が予め把握できた。2、患者及び家族とのコミュニケーションが図れた。3、導入後の指導がスムーズに行えた 患者・家族は 1、顔見知りのスタッフがいて安心だった。2、何でも聞きやすかった。
 3、透析開始後の医療費、仕事の継続、日常生活の過ごし方に不安がある。保存期からの受け持ち制の導入は、早い段階から信頼関係を築くことができ導入時の患者の不安感を軽減できるという意味で有用であった。< 感想 >当院で、外来通院中の保存期腎不全の患者さんに対して、透析スタッフの関わりがなく導入前、導入時初めて顔を合わせることが多い、今回、発票を聞き、保存期から、直接透析スタッフが介入し情報を共有することで、導入時の不安を軽減する為にも関わりが重要だと痛感しました。関わっていくタイミング時期や指導内容など透析スタッフで話し合っていきたいと思います。今回、出席させて頂きありがとうございました。

氏名 副島江美子

講演題:「 保存期腎不全外来での透析看護師の役割 」演者:医療法人 鹿児島愛心会 大隈鹿屋病院 透析室内容抜粋 腎不全患者の増加に伴い腎臓保存期外来を開設 保存期外来では患者を目的として様々な職種による「腎臓教室」をおこなっていたが、すべての患者が教室を受講するわけではなくまた、受講した患者すべてが教室の内容を理解してるわけではなく、透析導入前にシャントトラブルや高カリウム血症による緊急導入になる症例も少なくなかった。透析導入前の患者教育と透析治療に対する不安の軽減を目的として保存期腎不全外来にて直接透析看護婦が介入された。このことにより透析導入前に緊急導入する患者の発生は軽減された。しかし患者の不安を軽減することができたか、透析看護婦が保存期腎不全患 者に関わることの有用性と振り返りもみらられた。感想 保存期腎不全の時期にどのタイミングで透析看護婦が関わったがよいのかある病院では、Crが6mg/dI時点で透析看護婦が関わりをもつようにされている。Cr6になるとシャント作製してる当院でも透析看護婦が関わり透析についての話をし導入に対して不安感をもたせない様、患者の受容度、性格、生活背景を踏まえた上で関わっていく必要がある。今後は、外来ナースとの情報交換を密に行うことを統一したい。また 透析室での感染対策や針刺し事故によりC型肝炎を発症したナースの例などその後の対処の仕方など発表を聞いた。このような研究発表を聞いてくると改めてまた勉強しようと意欲がわいてきます。ありがとうございました。

 池田 清美

糖尿病透析患者におけるフットケアの取り組み  ~予防の重要性~健和会戸畑けんわ病院  牟田 優子【はじめに】 糖尿病患者のトラブルとは深い関係にあり、又透析患者も末梢動脈疾患の発生率が高い。透析室業務に携わるようになり、以前よりも多くの足病変を見るようになった。糖尿病透析患者のフットケアの重要性を、当施設でもフットケアへの取り組みを行い報告する。【問題点】 スタッフの意識調査を行う。1、定期的に観察する機会を定めていない2、病変が発生してからの対応で予防策がない 3、スタッフにより観察のポイントが違う。【対策】 足管理表を作成する。内容は写真撮影・動脈触知・フォンテイン分類と傷・痺れ・冷感・うおのめの有無とした。対象は糖尿病透析患者でリスクの高い患者を選出した。【考察】 表を使用し統一した観察とケアを提供出来るようになった。患者のセルフケアに向上を促し、足病変の発生率の減少に繋がっていくだろう。【結果】 透析患者に週34時間の観察・ケア出来る時間があり、十分に有効活用していかなくてはいけない。【感想】当院でも導入時にフットケアチェックを施行しますが移後の観察に対し、定期的な期日を定めていない為、個人によって異なる。糖尿病性足病変患者に対し一名は専門医にて受診し内服・点滴等により完治現在1名の壊死部数箇所あり下肢の痛みがある透析中の足浴も血圧低下・時間的余裕なく今後、当院透析室においても定期的下肢の観察にて早期発見に努め・患者指導等など改善していく必要があると考えます。

第5回佐賀県泌尿器科集談会:

平成22年11月25日佐賀市ホテルマリターレ創世にて開催され、院長が出席しました。東京大学泌尿器科コンチネンス医学講座、井川靖彦特任教授による特別講演:βアドレナリン受容体:下部尿路機能における役割、がありました。今までほとんど知らなかった深い学問的研究を聞いて、大いに感動しました。出席しておいて本当に良かったと思える素晴らしい講演でした。井川教授には泌尿器科いまりクリニックの院長がスウェーデンでとてもお世話になったことが有り、その井川教授が今年の夏に東京大学の教授になられたことで、実にめでたいことでした。以下に講演の要旨を書きます。

膀胱におけるβ3アドレナリン受容体の存在はすでに1970年代に、2個のnegative dataによる論文で予言されていたが、1989年にEmorineらが同定した。β3アドレナリン受容体は当初肥満に関係があるとして動物実験が盛んに行われたが、動物種類間の差が大きく、さらに動物と人とは異なるようであり、研究が中断したが、その後も膀胱における研究が主に日本人が続けている。そして、β3アドレナリン受容体の刺激で膀胱が弛緩し、しかも直接刺激のみでなく他の作用機序も含めて膀胱の弛緩を促すようだ。90年代の人での研究で、mRNAレベルではβ1,2,3アドレナリン受容体が すべて同定された。イソプロテレノールのようなβ作動薬で人の膀胱切片を弛緩させることが出来るが、β3アドレナリン受容体作動薬(β3AR Agonists)で同じような弛緩が起こるかどうかを調べた。3種類の人排尿筋切片、すなわち正常膀胱として膀胱癌における膀胱全摘標本からの排尿筋切片、神経因性膀胱として、二分脊椎の膀胱拡大術時の切片これをさらに2種類に分けた。一つは低コンプライアンス膀胱、もう一つはoveractive detrusor。 イソプロテレノールもβ3AR Agonistsも同じように排尿筋切片を弛緩させたが、β3AR Agonistsは半分の作用しかなかった。次にinvivoの実験として、脳梗塞ラットモデルを使い、膀胱内にチュービングしてPGE2を含む生理食塩水を膀胱に満たし膀胱内圧と心拍数を測定した。β3AR Agonistsを入れると排尿筋の活動間隔が延長した。
今回山之内製薬が開発したYM178の地検に参加した。すでにヨーロッパでPhase2A、Bの臨床試験が終わって報告が有った。2Aでは効果判定で、プラセボ、100mg、150mg、Tolterodine4mgの4群間のOABにおける効果を判定した。3日間で24時間の排尿回数、平均1回排尿量、急迫尿意の回数を見たところ、排尿回数の減少はプラセボで-1.2回、100mgと150mgで-2.2回減った。1開排尿量も100mgと150mgで26mlと33ml増加し、Tolterodineでも20ml増加した。急迫尿意も-2.3回減少した。結果としてYM178はTolterodineと同等の効果があった。Phase2Bは用量決定試験で、25mg、50mg、100mg、200mgで判定し、用量依存効果があったが、50mg異常で有意の効果があったが、100mg、200mgでは心拍数の増加があった。副作用は軽度の胃腸障害くらいのものであり、有用性が確認された。
膀胱の尿路上皮や排尿筋内にも β3アドレナリン受容体が存在し、尿路上皮のの刺激でNO(一酸化窒素)が作られて、NOが膀胱平滑筋を弛緩し、膀胱の知覚神経を抑制し尿意を減弱させる。さらにNO以外の膀胱収縮抑制物質が出ているようだ。さらに矛盾しているようだが、排尿筋の弛緩を抑制する物質も出しているようだ。人の排尿筋内にもβ1、2,3受容体が存在している。ラットのin vivo研究として、排尿反射中枢がある第6腰椎の後根を切断し、求心路を単離して、骨盤神経の電気刺激を行った。膀胱を充満させて求心線維の活動電位が増えるので、この時β3AR Agonistsを入れて見たところ、Aγ線維のみ抑制し、C線維はそのままであった。PGE2を入れたところ逆の効果があった。β3AR AgonistsであるYM178は、排尿筋への直接作用で弛緩させ、膀胱求心線維を抑制しC線維の活動亢進による知覚過敏としての頻尿にも有効と言う可能性がある。そして、今までの抗コリン剤の様に残尿の増加や尿閉を生じない。

特定給食施設等関係者研修会          

平成22年11月24日伊万里市立花公民館にて伊万里保健福祉事務所の主催で開催され、泌尿器科いまりクリニックから調理師と栄養士が参加し、勉強しました。以下はその時の報告です。

調理師 横村幸子

講義  「食べられる口づくり」講師  村田歯科医院 院長(神奈川県茅ケ崎市)歯科医師 黒岩 恭子 先生 <口腔ケアの重要性>看護や介護の現場で遭遇する患者さんには、口腔が原因で全身にリスクを負ってしまったと思われるケースが少なくありません。その中でも口腔内の細菌によって引き起こされる「誤嚥性肺炎」などはその典型的な例です。また口を動かさないでいると唾液が分泌されず口腔内が乾燥し、その結果細菌の繁殖が増えて誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなると考えられます。口腔内乾燥を防ぐために、口腔内をマッサージして唾液の分泌を促したり口腔内(咽頭、舌も含む)を清潔にすることが重要になってくる。またゲル化剤の利用も効果的だと考えられる。 <ゲル化剤について>普通のお茶は流れ込むスピードが早い為むせやすい。とろみ茶はむせないが口腔、のどに張り付いて残る。張り付いたまま放置すると乾燥し次の食事が食べにくくなる。ゲル化剤を使うと食べ物が口腔や喉に張り付かずに飲み込める。舌の力が弱い人はスプーンなどで少し潰して食べさせる。<感想>今までミキサー食を作るときに食べ物が流れ込む早さや口腔内の状態まで意識していませんでしたが、今回ゲル化剤の使い方を知る事ができたので今後の仕事に活かしていこうと思います。

中川佳奈子

黒岩恭子先生(口腔ケアの重要性)  口を動かさないでいると唾液が分泌されず口腔内が乾燥し、その結果細菌が増えて誤嚥性肺炎を引き起こしたり、食べ物を口の中に入れた時なかなか飲み込めず、つまりの原因になる。口腔ケアをすることで唾液分泌を促し、口腔清掃を行い、たんがとりやすくなり、飲み込みやすくなる。 (ゲル化食品) 普通のお茶→流れ込む速度が速く口の中に含ませることができないためむせる。とろみ茶→口腔、喉に張り付く。ミキサーゲル→口腔、喉に張り付かず、スッと飲める。舌の弱い人は少し固めにしてスプーン(舌の代わり)でつぶして口の中へ入れる。 (感想)どんなに飲み込みやすくとろみをつけていても口の中が乾燥していれば飲み込みにくいし、何度もむせていれば食べようとする意欲もなくしてしまうので口腔ケアの大切さが分かった。ゲル化食品の試食をしたが、とろみ剤は口の中に張り付く感じがしたが、ゲル化剤は舌の上にのせて上を向くだけでスルッと飲むことができた。      

佐賀県排尿管理学術講演会

平成22年11月13日佐賀市マリトピアにて開催され、院長が出席しました。小牧市民病院泌尿器科、排尿ケアセンター、吉川羊子部長による特別講演:みんなで始めよう、排泄ケア アセスメントがありました。会場には大勢の看護師も来ていて、盛会でした。

第9回佐賀泌尿器科疾患研究会

平成22年11月11日佐賀市マリトピアにて開催され、院長が出席しました。和歌山県立医科大学解剖学、仙波恵美子教授による特別講演:慢性痛をどう捉え、どう対処するか、がありました。

疼痛の種類:生理的痛みと病的痛み、炎症性の痛みと神経性の痛みその混合痛、慢性痛と急性痛、痛みの生理、神経経路、痛みを生じる神経伝達物質、大脳皮質に痛みが届いてそこで終わりでは無くて、皮質から刺激が大脳の方々の部所に伝わり、大脳の遺伝子的な変性を生じ、さらに痛みに対する閾値が低下し、痛みが持続して慢性痛が固定化する。

伊万里有田地区三師会学術講演会

平成22年11月10日伊万里市迎賓館にて開催され、院長、副院長が出席しました。嬉野医療センター循環器科、室屋隆浩胃腸による特別講演:予後改善を目指してのインターベンションの取り組み、嬉野医療センター心臓血管外科、力武一久医長による特別講演:虚血性心疾患の外科治療、がありました。

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第1回新武雄病院学術講演会

平成22年10月29日武雄市武雄センチュリーホテルにて開催され、院長が出席しました。久留米大学名誉教授、中山和道先生による特別講演:生涯臨床外科医、がありました。

佐賀県医師会透析医部会総会・講演会

平成221023日(土)佐賀市ホテルニューオータニにて開催され、副院長が出席しました。

佐賀講演会報告 木下徳雄

「透析施設の経営の動向」くま腎クリニック院長  隈 博政先生
1.透析難民・スタッフ不足、不採算性で透析を止める施設が増えている。山形県ではCAPDが増加する現象が起きている。公的病院は独立採算性を迫られ、透析を止めるところがある。・施設規模が年々大きくなっている。コンソールが20以下の施設は減っている。中規模施設が増加している。透析医療での医療崩壊が起きている。2.小規模透析施設における危機・外来の診療報酬点数は下がり、入院の受け入れは困難となり、送迎の必要な患者は増えている。夜間透析のコストが大きい。3.中央医療審議会、厚労省・損益分岐点比率は80%以下が優良であるが、有床診療所は80%以上である。4.大規模病院経営における問題点・右のポケットから左のポケットにお金を移しても、トータルは同じ。(儲かる診療科から赤字の診療科へ)・医師の過重労働に頼っている面もあり、病院を継承しないケースもある。5.透析医療における診療報酬の点数・日本透析医会はエビデンスとデータを示して、相応の点数の確保に努力している。

院内勉強会、10月分

平成22年10月19日院内にて開催。東七株式会社の飯盛修一部長による講演:医療安全についてと、外来看護師による間質性膀胱炎の当院における治療について、が有りました。その後懇親ボウリング大会を行い、その打ち上げを居酒屋エンジュにて行いました。

第62回佐賀県泌尿器科懇話会:

平成22年10月16日佐賀市ホテルニューオータニにて開催され院長と副院長が出席しました。一般演題8題と佐賀大学泌尿器科、有働和馬助手による特別講演、メモリアルスローンケタリング癌センター留学体験記がありました。ニューヨークマンハッタンにおける生活と研究の面白く興味深い話が有りました。翌日は懇話会の懇親ゴルフを佐賀市大和不動カントリークラブで行い、真崎善二郎前教授が優勝しました。

平成22年度杵藤・伊万里地区新型インフルエンザ予防対策研修会

平成22年10月15日(金)19:00~20:30武雄市文化会館にて開催され、副院長と職員が参加しました。

 研修会報告    木下徳雄

講演 「医療機関における今後のインフルエンザ対策」北里大学医学部 公衆衛生学教室講師  和田耕治先生 1.新型インフルエンザ(A/H1N1)の教訓 昨年の新型インフルの海外発生期の状況: ①病原性、感染性など情報不足 ②報道の情報はどこまで信頼できるのか?③医学的な情報が少ない ④国内で以外にパニックは起きなかった⑤海外渡航は減少した「我々は限りなくゼロに近い確率は過大に評価し、比較的高い確率は過小評価する」(狂牛病騒ぎとタバコの害など)ダニエルカーネマン 国内発生時の状況:①ある程度のパニックが発生 ②正しい情報と間違った情報による混乱③患者やその周囲に対する人権侵害 ④戦略のタイミングと規模の意思決定の難しさ ⑤国民の信頼と不信 ⑥得られるエビデンスに基づいた政治的判断が必用 発熱相談センターへの相談(大阪府)515日まで 200/日 ⇒ 516日から 6,000/日 大阪府の人口 600万人× 0.1 % 6,0000.1 % の人が制度を崩壊させる!2.新型インフルエンザ(A/H1N1)update 国内の死亡は202名で75%は20歳未満、推定罹患者は約2,077万人 潜伏期は17日、発症前1日から発症後57日程度感染させる可能性がある。 流行は2、3年続く?としては、今回のインフルエンザについて・・・緊急かつ総合的に対処すべき事態は終息しつつあるものと判断し、通常の感染症対策として対応する体制に切り替えることとする。 (平成22827日 新型インフルエンザ対策本部)3.職員を守る感染対策 医療機関に必要な対策: ①医療従事者と患者を守る感染対策 ②職員不足や、緊急事態でも事業が継続できるための仕組み作り ③地域で顔の見える連携 対策の優先順位:  ①まず有害要因の除去(感染者への接触の可能性をなくす)②工学的対策(感染者のいるところにパーチィション設置など医療従事者個人の行動に依存しない)③管理者対策(感染して症状のある職員は職場に来ないなど管理者や医療従事者個人が十分に実施できるかに依存)④防護具(あくまでも追加的な防護策)「うつらない」 ⇒ 「うつさない」へ ・咳をする時は鼻や口を覆う(うつさない) ・手を洗う。特に咳をした後(うつさない)・目、鼻、口をなるべく触らない(うつらない)・具合の悪い人に近づかない(うつさない)・発熱したら家にいる(うつさない) 4.患者を守る感染対策・発熱者は電話で受診の相談をする。・直接来院した発熱者は自宅または車内等で待機させる。・電話による問診で必要な疫学や臨床情報を得ておく。・発熱外来の時間帯に電話で呼び出して診察する。・診察終了時に次の発熱患者を呼び出す。・院外処方とし、薬局へは本人以外が受け取りに行くよう指導。 5.診療継続計画作り 事業継続計画:企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続計画のための方法、手段などを決めておく計画職場の1割が休んだら、職場の生産性が1割下がるのではない!! 場合によっては一人休んだだけで、3割下がる可能性もある!!6.包括的感染対策インフルエンザ、SARS、天然痘(バイオテロ)など PDCA (Plan, Do, Check, Action = 計画、実行、検証、改善) が大事である。

研修報告書     看護師   吉田和子 

医療機関における今後の新型インフルエンザ対策 北里大学医学部 衛生学公衆衛生学教室講師、和田耕治先生:インフルエンザの特徴 症状 ・・・急激に始まる発熱(38℃以上) 咳 咽頭痛 全身倦怠感など 致命率・・・1万人に一人以下 感染経路・・・主に飛沫感染 一部に接触感染 潜伏期間・・・1~7日 (中央値34) 感染可能期間・・・発病前1日から発病後5~7日程度感染させる可能性があると推定される。小児ではやや長く10日程の可能性がある。日本では解熱後2日までか、症状が始まった翌日から7日目までのいずれか長い方は外出しないように求められている。医療機関に必要な対策、医療従事者と患者を守る感染対策、職員の不足や緊急事態でも事業が継続できるための仕組み作り 普段から協力しあう組織ができているか休める体制作りをしておく、地域での顔の見える連携、対策の優先順位、有害要因の除去 (感染患者との接触の可能性をなくす) 工学的対策 (感染患者のいる所にパーティション設置など医療従事者個人の行動に 依存しない) 管理的対策  (感染しても症状のある職員は職場に来ないなど管理者や医療従事者個人が十分に実施できるかに依存)  感染した人が安心して休める環境 防護具は最後(防護具を過信してはいけない)3つ揃うと感染症が発生する。 感染源 - 感染経路 - 体の中でウイルスが増殖 可能性免疫の有無 患者(感染源)早期の患者の特定 (問診、発熱、発疹、渡航暦) 発熱外来の設置や電話相談を呼びかける 動線や距離の確保、隔離 咳エチケット(マスク着用) 医療機関での感染対策 全ての医療機関において、すべての外来患者を含む来訪者にたいする発熱や咳、くしゃみなどのインフルエンザ様症状を指標としたスクリーニングを行う。医療機関の入り口に近いところでその有無をチェックする。これらの業務に従事するスタッフは常時サージカルマスクを着用している事が望ましい インフルエンザ様症状を呈している患者に対して、迅速診断キットやウイルス分離、PCR検査のための検体を採取する場合は、それに加えて眼の防護と手袋を着用する。この手技は、他の患者からなるべく離れた場所で行うようにする。インフルエンザ様疾患の患者の部屋に入室するスタッフはサージカルマスクを着用する。インフルエンザ様疾患の患者に対する気管支鏡、気管内挿官などのエアロゾルを産生するリスクのある手技は、個室で行い、スタッフはサージカルマスクに加えてN95レスピレーターまたはそれ以上の性能の呼吸器防護具、眼の防具(ゴーグルまたはフェイスシールド)手袋を着用することが望ましい 慢性疾患を持っている患者さんは更に重症化しやすいため、患者さん同士の感染を防ぐためにも、私達医療従事者が正しい知識を持ち、早期に予防策を立てなければいけないと痛感しました。

准看護師 山口 早苗

1、平成21年新型インフルエンザA(H1N1)2009に関する動き・準 備 期:4月23日まで・海外発生期:4月24日から5月15日4月24日WHOが国際緊急事態を宣告・海外発生期の状況:情報や医学的データの不足 海外渡航の減少・国内発生早期:5月16日から5月31日・くすぶり期:6月1日から7月24日 6月11日WHOフェーズ6を宣告 7月24日患者の全数報告を中止・状況:ある程度のパニックを発生 正しい情報と少し間違った情報による混乱・平成22年8月27日:現在までに国内で202人の死亡を確認 推計罹患者数約2077万人
2、院内感染対策 ・早期の患者の特定(問診、発熱、発疹、渡航歴など)・発熱外来の設置や電話相談を呼びかける・動線や距離の確保、隔離・咳エチケット・医療機関に必要な対策 職員の不足や緊急事態でも事業を継続出来るための仕組み作り感染すると重篤になりうる職員(妊婦など)の就業上の措置・手洗い、個人防護具(マスク)・マスクは漏れ率を考慮し、過信はしない 最低でも3種類のマスクを用意し、定性的フィットテストの実施 当院では緊急性のある患者に対しては受付と外来スタッフとの連携を図り、迅速な対応を心がけている。インフルエンザ流行期にはウイルス保有の受診者対応の可能性も考えられ、初期問診の重要性があげられる。今後、院内対策委員でも検討していく必要性があるのではないだろうか

伊万里有田地区医師会学術講演会:

平成22年10月13日伊万里市迎賓館にて開催され、院長と看護師2人が出席しました。嬉野医療センター内科の副島佳文部長による特別講演:実地医家に役立つ新たな気管支喘息治療がありました。

気管支喘息は世界的に見ると日本は発生率で中間くらい。小学生ではここ10年間で1.5倍に増加している。気管支喘息とは気道の慢性炎症で、可逆性の気道閉塞と、気道過敏性の亢進による喘鳴、咳、呼吸困難を来す気道閉塞性疾患。その後診断、治療が有り、治療としては即効性の吸入ステロイド剤の話が有った。重症度に応じて治療の段階が有り、吸入ステロイドを中心に低力価から高力価に進み、さらに、β刺激剤、ロイコトルエン受容体拮抗剤、テオフィリン徐放剤を追加する。

アスピリン気管支喘息では、内服1時間後から症状、水溶性鼻汁、鼻閉、呼吸困難が出て、その後5時間でピークに達し、12時間から24時間で終息するので、その間の呼吸管理が必要。投与するステロイドはコハク酸の入っていないものを使用する。

第6回佐賀ウロギネコロジー研究会

平成22年10月8日佐賀市ホテルマリターレ創世にて開催され、院長が出席しました。佐賀大学泌尿器科、中尾孝子助手による講演:女性骨盤臓器脱手術におけるメッシュ関連感染症について、東大産科婦人科、川名敬助教授の特別講演:婦人科領域におけるHPV関連疾患、がありました。

HPVは15種類有って、疣や尖圭コンジローマを作り、ごく一部が子宮頸癌を作る。HPVウイルスは正10面体で、

HPVワクチンはHPVの亜系の内で16と18に効果が有り、若年女性の子宮頸癌を75%予防することが出来る。中学1年生に摂取するのが効果が有り、女性の年齢が上がるにつれてHPVの感染率も増えるので効果が少なくなる。つまりHPVのDNA-で抗体-の女性に効果が有る。HPVワクチンは2種類有って、16と18のみに効くものと、それ以外に後2種類に効くものとが有る。4種類に効果が有るワクチンはすでにオーストラリアで使用され、尖圭コンジローマの予防効果が証明された。

泌尿器科懇話会学術講演会

平成22年10月7日佐賀市グランデはがくれにて開催され、院長が一般公演の座長として出席しました。佐賀大学泌尿器科、徳田雄治講師による:専門医からアボルブ使用に当たって、と、南里泌尿器科医院、南里正晴院長による:アボルブの使用経験とがありました。次に特別講演として、日大泌尿器科、高橋悟教授による特別講演:BPH治療の新しい展開、がありました。

BPH治療の新しい展開:以前には前立腺肥大症の治療はある程度大きいものはすべて手術を行っていたが、昨今では前立腺肥大症の症状は排尿障害のみでなく、蓄尿障害もあるとの認識が広まり、QOLの改善を目指すことが治療目的となった。前立腺肥大症の手術数自体は減少しているが、手術での肥大症の大きさが増加している。BPHの自然経過としては、疫学調査から体積でで年に1.6%増加し、IPSSの指標で年に0.2%悪化している。BPHの大きいものほど増加速度や症状の悪化が大きい。BPH患者の気掛かりなことは、尿閉の恐れと、手術への不安の2つ。年間4%の尿閉、これは60歳代で2倍、70歳代で3倍になる。BPHの治療としてまずαブロッカーを飲むと、当初は尿勢がよくなるが、αブロッカー自体にはBPHを小さくすることは出来ないので、次第にBPHが大きくなり効果が低下する。抗男性ホルモン剤の5α‐還元酵素阻害剤(デュタステリド)を飲むと、初めは効果が少ないが次第に効果が出現し、3ヵ月過ぎにはαブロッカーと同様の効果がある。両方の薬を同時に飲むとさらに効果的(COMBAT研究)。デュタステリドは血中のDehydroTestosteronを90%以上減らすが、Testosteronは少し増えるが減らさないので、副作用が少ない。

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