佐賀県前立腺癌検診協議会:

平成22年3月11日佐賀市マリトピアにて開催され、院長が出席しました。世話人会があり、今後の運営について協議しました。その後、宮崎大学泌尿器科、賀本敏行教授の特別講演、PSA検診のあり方、がありました。PSA検診によって前立腺癌患者の死亡率が低下したことは、欧州における大規模試験ERSPCによって明らかになったが、厚生省研究班はこれを認めていない。検診費抑制と言う方針があるためでは無いか。PSAで前立腺癌の発見が増えたが、治療しなくてもよい前立腺癌の発見も増えている。このような潜在癌を治療するいわゆる過剰診療を防ぐことが今後の課題。日本における前立腺癌の死亡率は増えており、米国が減っているのと対照的。以前は米国と日本の前立腺癌の死亡率は10対1であったが、今は3対1になっている。前立腺癌の発生率は日本も欧米も同じだが、癌の進行が日本は遅い。

佐賀大学泌尿器科公開抄読会

平成22年3月11日佐賀大学医学部で開催され、院長が出席しました。

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九大医学部同窓会佐賀支部:

平成22年2月20日(土)佐賀市、楊柳亭にて開催され、院長が出席しました。同窓会長の熊澤浄一名誉教授がおいでになり、同窓会と医学部の近況について詳しく解説されました。

68回佐賀県人工透析懇話会:

平成22218日(木)18302100佐賀市アバンセホールにて開催され、副院長と透析室職員5人が参加し勉強しました。以下にその時の報告を載せます。

看護師    吉田和子                   

【特別講演】「再発見 腎臓移植の基本とその進歩」福岡大学医学部 泌尿器科学 講師 中村信之 先生 腎臓移植のイメージは?移植医療への社会の強い不信感、透析室には腎臓移植が廃絶した患者が戻ってくる、腎臓移植の成績は、移植者の日常生活は 腎臓移植の基本、腎臓移植レシピエント(受腎者)の適応の判断と術前検査、移植手術に耐えうる体力、癌と活動性感染症の除外、HLA型検査とクロスマッチ、腎臓移植手術、免疫抑制法、感染症の予防 検査 治療 腎臓移植の進歩、術式の進歩、免疫抑制剤の進歩、感染症への対応の進歩、ABO血液型不敵応移植の進歩の確立 腎臓移植の成績 腎臓移植は、わが国では年に1200例以上行われ、これまでに22000人以上が腎臓移植を受けている。次々に新しい免疫抑制剤が開発され、腎臓移植の成績は年々向上している。特に、2000年以降の成績では、生体腎移植の5年生着率が90.9%、献腎移植においても、78.6%と向上している。

看護師       中村 雅美

シャント感染予防(手洗いの再教育) 医療法人芳生会 和田内科循環器科 [はじめに] 当院では今年になってシャント感染者による再手術を余儀なく必要とした二人の患者を経験し再度シャント管理の必要性を再認識した。そのためシャント感染対策として自己管理が充分出来ているか個別調査を行い、その問題に対しシャントの手洗い再教育を行ったので報告する。[方法]全透析患者に対してシャントの手洗いに関するアンケートを実施。当院でのシャント感染に関する原因を調査後、実例をもとにポスター、パンフレット等を作製し再教育を行った。[結果] アンケート調査の結果では手洗いなどの自己管理が不十分な患者が多かった。また、シャント部の清潔に関して無関心の患者もいて、上腕部までの手洗いが徹底されてなかった。シャント管理に対する再教育を行うことで患者自ら清潔意識を持つようになり入室前にシャント肢の手洗いを行うようになった。[まとめ] 今回の再教育により入室前に手洗いを実行する患者が増加した。これからも定期的なシャント感染の問題対策に取り組んでいきたいと思う。透析患者総数130名のうち、糖尿病患者が71名いた。シャント音の確認や清潔などの認識が薄かった。そのため、改善策としてポスターやパンフレットなどを使用して患者指導を行っていた。指導後、46%から98%にまで患者の認識があがった。清潔に対しても、ほとんどの患者が手洗いを行うようになり意識の向上につながった。当院では、透析室に入ってからの手洗いは行っていないが、シャント感染は、ほとんどみられていない。穿刺前にシャント肢の酒精綿での消毒と回収時の消毒を行っている。グラフト挿入している患者は、清潔操作でイソジン消毒している。シャント管理では、シャント音やスリルの確認、対処法など冊子などを使用して指導している。透析患者にとって、シャントは不可欠なものなので、管理していくことは大切なことです。その為にも、指導してよりよい透析生活を送れるようにしていきたいと思いました。

准看護師      池田 清美

「再発見、腎臓移植の基本とその進歩」福岡大学医学部 泌尿器学科  講師 中村 信之 先生 移植…移植医療への社会の強い不信感。 腎臓移植にも問題や限界はあるが、末期腎不全の唯一の根本的治療法 健康な人と変わらない日常生活。 手術・全身麻酔に耐えうる体力(循環器合併症の除外)、感染症・悪性腫瘍がないこと(治療によっては可能) 血液型不適合…以前は絶対条件 現在は、血漿交換など血液型抗体値が低下すれば可したがって、血液型不適合でも移植は可能。 移植前に血漿交換を行い、ドナーの血液型に対する抗体値を低下させる。 (成人は、脾臓摘出して大きな問題なし) ドナーの年齢は考えないが、70才以上の提供者は腎機能低下も考えられ断られる。80才以上は難しい。感染症…移植後3~4週間後 細菌・ウイルス・真菌(カビ)などの病気 拒絶反応を起こしやすい。鏡視下のドナー腎摘出、免疫抑制剤の進歩、新たな感染症の出現、BKウイルス、感染症への対応の進歩、ABO血液型不適合移植の確立、脾臓の摘出も不用になった。(感想)私自身、透析患者さんと共に腎移植キャンペーン(1回/年)に参加し、意思表示カード配布などのお手伝いをさせていただきました。腎臓を提供する問いに対して、YESと答えることは出来ませんが(死体腎提供に対し)健康である自身、透析患者と向き合う中で週3回の透析で拘束される患者の中には、若い方もいます。また、実際に移植により透析療法から離脱し、元気に働いている方も見てきました。今回改めて、移植ということを見落としていたので、今後からは少しでも患者さん達に移植のことについて伝えていけたらと考えています。

布巻 秀克

特別講演で、福岡大学泌尿器科中村信之先生が腎移植についてお話してくださいました 腎移植により、末期の腎不全の患者様が水分、食事制限,週3回の血液透析や日に何度も腹膜透析液のバックを交換する事などの不自由さから開放され自由な生活が可能となり、さらに妊娠出産が可能になり、子供さんであれば正常に近い発育が可能になり全身状態が大きく改善し、長期透析合併症の改善、ひいては生存率が改善する。腎移植には生体腎移植と献腎移植の2つある 両者とも提供者の善意にもとづくものであり生体腎移植は提供者が血縁または家族による生体の片腎の提供 献腎移植は提供者が死後両方の腎臓を提供するもの 腎移植は年間1200例今までに2万人が受けており40年の実績がある 腎移植を行うと患者様の免疫応答により多かれ少なかれ拒絶反応が起きるため免疫抑制剤が使用される。血液型が適合していることがのぞましいが、血液型不適合であっても腎移植は可能であるただしその場合は移植前に患者様の血漿交換を行って血液型抗体価を低下させ脾臓を摘出する必要 また手術に耐えられるかどうか ドナー側に糖尿病、高血圧、心疾患、肝疾患がないかどうかもチェックする 移植後に腎臓に原疾患が再発することもありえる 移植後には3ヶ月内に多く、急激に症状が進行する 腎移植後感染症を起こしやすい

准看護師        氏名 桑本 崇

 腎移植の進歩として、 ①術式の進歩  →  鏡視下のドナー腎摘出 ②免疫抑制剤の進歩  *(新たな感染症の出現) ③感染症への対応の進歩 ④ABO血液型不適合の腎移植も可能になってきている 感想: 今回の透析懇話会では、特別講演のほかに一般演題として「新型インフルエンザ対策の取り組み」(牧野医院)などの発表があった。当院でも感染対策としてマニュアルを作成し対応していたが、さらに、陰圧室増設など設備面の対応もとられていた。ここまでの対応が、本当に必要か?は分からないが、現在のところ院内感染は起きていないとの報告だった。 腎移植については、腎移植の基礎、現状などの話があったが、欧米と比べ、まだ一般的に浸透していない印象を受けた。技術的な面では、かなりの進歩を遂げているが、ドナーとなる人々に対する対応、倫理面、精神的な部分への対応がこれからの課題だと感じた。 当院では、移植を希望する患者さんはいないが、今後、希望や、説明を求められた時、きちんとした対応ができるようにしたい。

院内勉強会:2月分、医療安全対策、消毒法の研修を兼ねた勉強会

平成22年2月16日院内で勉強会を開催しました。今期は3題ありました。1. 協和醗酵キリン株式会社福岡支店の藤田佳典氏による医療安全、医療ミスに対してのshell対策。2.院長の消毒と滅菌、今回は次亜塩素酸について。3. 透析室からのビデオと実地で、緊急時の患者搬送の工夫について、があり、有意義な勉強会でした。

伊万里有田地区学術講演会:佐賀県医師会糖尿病関連講座

平成22年2月5日伊万里市迎賓館にて開催され、院長と副院長が出席しました。長崎医療センター内科、木村博典部長による特別講演、インクレチンの最新知見がありました。

日本人の糖尿病の特徴:小太りが多い、若い人の糖尿病が増えている。血糖値の管理が不十分。
インスリン抵抗性は少ないが、インスリン分泌の減少が多い。元々インスリンの代償作用が弱く、FBS110以上でインスリンの分泌が減っている。少しの肥満や運動不足で耐糖能が低下する。若い人の糖尿病が増えている。しかも45%が未治療。治療群であってもA1C6.5%以下と言う目標の達成率が30から40%であり、低い値。A1C6.5%以下と言う目標はガイドラインでの推奨値であるが、専門医ではA1C5.8%以下が目標。カナダの統計では糖尿病は健康寿命を15年短縮させる。

外来治療のポイント:血糖のコントロールを行い長期間安定させる。高インスリン血症やインスリン抵抗性を減らす。低血糖発作をおこさない。体重特に脂肪増加をおこさない。膵のβ細胞を疲弊させない。合併症を防ぐ。
治療群の60%以上でA1C7%以上になっている。血糖値の管理は難しくて、他の要素、血圧、LDL、TG、HDLの方が管理は比較的易しい。VAD試験では、糖尿病の罹病期間が長いほど、厳格な血糖管理を目指す強化療法で脂肪が増えていた。罹病期間に応じて治療法を変化する必要あり。

インクレチン:インスリンの分泌、β細胞の保護(ネズミの実験のみ)、DPP-4によって2分で分解される、2型糖尿病ではインクレチン効果が少ない
古くから(1902年)知られていたセクレチンのこと。1970年GIPの発見、1986年GLP-1の発見、1955年DPP-4の機序解明、インクレチン効果:ブドウ糖を静注するよりも経口した方がインスリンの分泌が多い。インスリンの基礎分泌は血糖値によるが、追加分泌はインクレチンの作用で食事量に応じる。 GIPはβ細胞と脂肪細胞に働き、インスリンを分泌させ、脂肪を増やす。GLP-1は脳、胃、膵に働き、胃からの排泄を促す。食後のグルカゴン値は糖尿病では増え、正常では減るが、GLP-1を注射すると減る。

DPP-4阻害剤の使用
アマリール、α‐GI、インスリンとの併用は保険適応が無い、高度の腎機能障害Cr2.5以上では使用禁忌。A1Cで平均0.6%の低下が長期間安定的に見込める。他剤との併用も出来る。DPP-4は全身に分布しているので、今後何か予期せぬ副作用があるかもしれない。ほとんどの糖尿病に使用出来る。食事が不規則の糖尿病に有効。

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医院新年会:

平成22年1月19日院内勉強会終了後に、伊万里市焼肉勝にて院長招待で開催しました。焼肉食べ競争の様相になって、すぐに満腹になり、1時間ちょっとでお開きになりました。

泌尿器科いまりクリニック院内勉強会:1月分

平成22年1月19日院内で勉強会を行いました。今回は大正富山製薬の学術の方が来院され、フットケアについてのスライドによる研修がありました。

平成21年度佐賀県有床診療所協議会総会

平成22年1月16日16時から佐賀市ホテルニューオータニにて開催され院長が出席しました。全国有床診療所専務理事の鹿子生健一による特別講演がありました。現在の有床診療所は年々減少して、今では最盛期の半分以下の8000所しかないようになりました。有床から無床への変更が相次いでいます。やはり、診療所は入院の診療報酬が安いので入院患者が居ると赤字になります。入院の赤字を外来の収入で補っていると言う状態ですが、その負担に耐えられなくなり、無床化しているようです。泌尿器科いまりクリニックも入院患者が居ますが、入院に限って言えば、赤字です。病院の入院費の内最低基準の最安の場合よりもさらに安い設定ですので、困っております。

謹賀新年

今年も良い年でありますように。

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