いまりクリニックの給食が「臨床栄養」で紹介されました
以下はその抜粋です
(以下、臨床栄養3月号、こんだてじまん、106巻407-410ページから抜粋)
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  • 施設名 泌尿器科いまリクリニック          佐賀県
  • お名前 小野富子 前田千代子 古川由香里 栗原誠子
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施設の概要

  泌尿器科いまりクリニックは、伊万里市の古伊万里で有名な陶磁器の産地大川内山の麓に平成6年6月1日泌尿器科・人工透析の専門診療所として新規開院した。「患者さんにやさしく、仕事に強く」を指針とし、最新の専門医療と看護を目指すと同時に、かかりつけ医として地域医療に日々貢献している。在宅医療にも力を入れており、そのなかでも癌末期患者に対する緩和ケアを在宅にて行っている。その成果をまとめて、平成12年5月に福岡市で開催された第13回老人泌尿器科研究会では医師部門で会長賞を受賞している。清潔感があり過ごしやすい環境を保つように施設の環境整備にはスタッフ一同心掛けている。

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栄養部門の活動

 入院・外来の栄養個人指導をはじめ、集団栄養指導として慢性腎不全患者を対象に調理実習を行っている。喫食調査は、病棟と透析室とも年4回行っている。行事食にはおしながきや行事の由来などをしるした手作りカード付きで行い、透析患者の誕生日には透析担当スタッフがバースデーカードを作り、患者本人のリクエストメニューで楽しんでいただいている。

 診療所だからできるフードサービスを目指し努力をしている。伊万里市松浦のスローフードな環境を生かし平成14年11月から地元の農産物直売所の協力を得て地産地消を行ってる。玄米(ひのひかり・夢しずく)・もち米・豆・野菜・いも・きのこ・果物・卵・豆腐・加工品など安全でおいしく戴くため旬の食材を年間を通して購入してる。身土不二(身(からだ)と土(とち)は一つであり、住んでいるところ四里四方(約16q四方)でとれたものを食べて暮らせば健康でいられるという)考えから輸入食材は使用していない。調味料も厳選しており、味噌は地元の玄米と大豆で作った玄米味噌をみそ汁と調味料として使っている。パンは国産小麦粉を使用している地元のパン屋さんに発注している。

 入院患者さん達の癒しになるように、うつわは陶磁器を使っている。地元の有田焼き、波佐見焼き、ノリタケの洋和風食器や洋風の耐熱強化ガラス器を中心に取り揃えている。

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栄養部門の位置づけ:厨房
職員および人員構成

栄養士  2名

調理師  1名

調理員  1名

管理栄養士(非常勤)1名

合計        5名

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献立作成への配慮

 献立は4月サイクルで行い、透析患者さんにも飽きのないようにしている。

地元の食材を中心に使用しているため、季節ごとに食材やメニューをかえている。

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おもな料理の作り方

ひし(菱)寿司

  • 白米とターメリック入りのごはんを炊く。
  • @のごはんをそれぞれ寿司めしを作っておく。
  • 干し椎茸は戻して細切りし、しょうゆとみりんで味付けする。

にんじんはみじん切りし、茹でておく。

  • 白米の寿司めしを2つに分け、青のりとBのにんじんを混ぜ込む。

ターメリックの寿司めしを含む、青、赤、黄異の3種類の寿司めしを作る。

  • 押し寿司の型に、にんじん、青のり、ターメリックの順で押して作る。

その間にBの干し椎茸を散らしておく。

  • 型からはずし適当な大きさに切り分ける。
  • 茹でたきぬさやと塩ぬきした桜の塩漬けをかざり、盛り付ける。

メモ

  • ひし寿司は、ひなまつりの行事食で毎年作っているメニューです。ごはんに色をつけ味に変化があることで、目先が変わり患者さんからも職員からも喜ばれている。
  • ひし寿司の黄色の寿司めしはサフランを使用してもよい。
  • 八方だし(削り節、濃口しょうゆ、みりん)、吸物だし(花かつお、出し昆布、干し椎茸)は毎日作って使っている。
  • 夕食の白和えは地元でよく作られる作り方で、生揚げをグリルなどで表面をこんがり焼き、それをすり鉢でよくすることで香ばしい白和えになる。
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透析食

エネルギー、たんぱく質、カリウム、リン、塩分の制限をしながら、見た目にも満足していただけるよう配慮している。


当院の一品料理 「ごはん」

基本材料(1人当りg)めし 190g、強化押し麦 5g

栄養価(1人当り)

エネルギー

たんぱく質

脂質

炭水化物

塩分

336kcal

5.2g

0.7g

74.3g

0g

  • 組み合わせのヒントと例
    • 味噌汁
    • 野菜漬け物
    • 納豆
    • 肉じゃが
    • 焼き魚 など
  • 治療食への展開または組み合わせの変更

〈エネルギー制限〉:めしの量の調整

〈たんぱく質制限〉:低たんぱく米の利用

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 解説

当院で一番好評を得ているのは、ごはんである。その好評な理由の1つは生産の環境で、この米の生産地は伊万里市松浦町の山間地のものである。他県からも購入しにみえるくらい評判がよい。当院はその中でも良いものを選んでもらっている。もう1つの理由は、数年前より当院では玄米を仕入れ、毎日自家精米していること。米には脂質があり、精米した直後から酸化がはじまる。精米してから時間が経過する程酸化し味がおちていく。そこで、おいしさと身体に良いものをと考え、自家精米することになった。患者さんには、甘味があっておいしいと言われ、地元の米生産者からも家で食べるよりおいしいと言われている。

  • 準備 下ごしらえ
  • 玄米を精米する。白米で精米すると、米が割れやすいので3分づきを2回行う。
  • 精米したては温かいので冷ましておく。
  • つくり方
  • 白米を計りボールへ入れる。白米にごみや糠が残っているので、最初はため水で全体をさっと洗う。
  • 水がにごらなくなるまで丁寧に洗う。
  • 30分以上ザルに上げておく。
  • 配膳時間に合わせて炊き上げる。

(以上、臨床栄養3月号、こんだてじまん、106巻407-410ページから抜粋)

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